傷痕

手術の縫合痕、やけど、傷痕(傷跡)、外傷など、幅広く対応しています。

傷痕の種類と症状

主な傷痕の種類です。

成熟瘢痕

傷が治ってから長い時間が経過し、白くなった傷跡を「成熟瘢痕」といいます。
多くの場合、治療の必要はありませんが、症状により整容的な改善を目的として、治療を行うこともあります。

肥厚性瘢痕

外傷や手術による創傷が、長い月日を経て硬化して盛り上がり、かゆみや痛みの症状が出現した状態(傷痕が周囲より盛り上がった状態)を「肥厚性瘢痕」といいます。これらがさらに拡大する場合ケロイドとなります。

ケロイド

傷が治る過程において原因不明の炎症が持続することにより、線維形成が収束しないことによる皮膚線維増殖性疾患です。肥厚性瘢痕を経てケロイドに至る場合が多くみられます。

瘢痕拘縮

外傷や手術で縫い合わせた傷が赤く盛り上がったり、その部分が縮んで皮膚が引きつったりすることによって、関節などが動かせなくなる状態を「瘢痕拘縮」といいます。

傷痕の治療

傷跡の治療は、傷跡の種類や大きさ、部位、体質などにより様々な方法があります。一般的な治療法は以下に挙げるようなものがあります。

主な傷痕の治療法を以下に説明しています。

  1. ステロイド外用、ステロイドテープ貼付:ステロイド薬を外用、貼付することで傷跡の肥厚やつっぱり感を改善します。
    副作用・リスク:かぶれ、毛細血管拡張など。
  2. ケナコルト®注射:ステロイド注射によりケロイドや肥厚性瘢痕の症状を改善します。
    副作用・リスク:出血、注射時の痛み、毛細血管拡張、陥凹など、
  3. 切除縫縮、分割切除術:傷跡の部分を取り除き、周囲の皮膚を寄せて縫合します。傷跡の幅が広く一回で縫い縮めることができない場合は、半年以上の時間を空けて皮膚の再生を待ち、再度同様の手術を行います。
    副作用・リスク:出血、麻酔注射時の痛み、新たな傷跡ができることなど。
  4. 皮膚移植術、皮弁形成術:衣服で隠れるような目立たない部位や傷跡の近くの部位から皮膚組織を切り取り、傷跡の部分へ移植・移動する方法です。
    副作用・リスク:出血、局所麻酔注射時の痛み、植皮片の生着不良、皮弁血行不全、新たな傷跡ができることなど。
  5. 組織拡張器を用いた再建法(ティッシュー・エキスパンダー):正常な皮膚の下にシリコン製のバッグを埋め込み、3か月程度かけて少しずつ膨らませて皮膚を伸ばしていき、伸びた皮膚を用いて傷跡を取り除いた欠損部を縫い閉じる方法です。
    副作用・リスク:出血、麻酔注射時の痛み、バッグ埋め込みの時期の皮膚の膨らみ、皮膚が伸びる際の痛み、新たな傷跡ができることなど。
  6. レーザー治療:傷跡のレーザー治療は、やけどや外傷、手術などにより残ってしまった傷跡を薄く目立たなくする治療法です。完全に傷跡を消すことはできませんが、傷跡の色を薄くしたり、凸凹を改善させたりすることで外見的な印象を変えることが期待できます。これらの目的に対して、CO2レーザーや色素レーザー(Xビームレーザー)などを使用します。 レーザー治療は、患者さんの体への負担が少ない治療で、幅広い方に受けていただくことが可能です。

炭酸ガス(Co2)レーザー

炭酸ガスレーザーは、ホクロやイボなどの症状、他のレーザー治療では難しい盛り上がりのあるしみ、血管腫などの症状に適しています。施術後の傷跡が目立ちにくく、唇や目の周りのデリケートな治療も可能です。
しみの症状の中では特に脂漏性角化症(老人性イボ)に対して有効な治療法です。

副作用について
施術後は施術部位がレーザーにより軽いやけど状態になるため、多くの場合かさぶたになります。
赤み、熱感(ほてり)、色素沈着、瘢痕(傷跡)、陥凹(へこみ)などが生じることがあります。

費用について
炭酸ガス(Co2)レーザーの費用についてはこちらへ

Vビームレーザー

Vビームレーザーは、毛細血管拡張症や血管腫の治療に適した色素レーザー機器です。傷痕(傷跡)やケロイドの赤みなどの改善が図れます。

副作用について
皮膚の腫れ、赤みや痛み、内出血、かさぶた、色素沈着などが生じることがあります。
腫れやむくみが出た場合、通常は2〜5日ほどで落ち着きます。

費用について
費用の詳細は現在準備中です。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、顔や他の部位にある浅い傷痕などの改善に使用される治療法です。
この方法では、皮膚表面に薬剤を塗布し、古い角質や傷んだ皮膚を取り除き、ターンオーバーを整えて、皮膚再生を促します。

副作用について
赤み、熱感(ほてり)、かゆみ、乾燥が生じることがあります。

費用について
ケミカルピーリングの費用についてはこちらへ

これらの治療法は、皮膚科や形成外科、美容クリニックなどの医療機関で受けることができます。
治療は保険診療で行われるものと自費診療となるものがあります。
傷跡の種類によっては完全に取り除くことができない場合もあることをご理解ください。