むだ毛

「むだ毛」とは、生えてほしくない場所に生えている体毛のことです。
一般的に女性の場合、顔、腕、脇の下、脚、プライベートエリアなどに生える毛をむだ毛と考えます。 またかつては男性の場合、胸毛や口ひげが生えていることが男らしさの象徴とも考えられていたことがありましたが、現代では胸や背中の毛が少ない方が見た目の良さを感じる方も多いでしょう。
このように毛が生えて欲しくない部位とは、時代や文化的な背景によったり、個人の主観などで異なったりするものでもあります。

むだ毛が生えるメカニズム

むだ毛が生える理由はいくつかありますが、毛が生える仕組みを理解することが重要です。毛は皮膚の外に見えている毛幹と、皮膚の中に埋まっている毛根からできています。毛を生やす仕組みを持っているのは、毛根の根元にある毛球です。
毛球は、毛乳頭と毛母細胞という2つの構造を持っています。毛乳頭は毛球の中心部にあり、その中には毛細血管と呼ばれる細い血管が走っています。毛細血管は身体中の血管と繋がっていて、毛に栄養を届ける役目を担っています。つまり、毛に栄養を届けて成長を促す働きをしているのです。
一方、毛母細胞には毛を生やし、成長させる役割があります。毛母細胞が増えることで、毛が伸びる仕組みです。
さらに、毛乳頭と毛母細胞だけでは毛は生えてきません。毛を生やすように命令する「バルジ領域」があって初めて毛が生成されます。
また、毛(毛器官)は知覚神経の補助的役割、外部刺激からの防御、体温保護という3つの役割を果たしています。前述のように現代の生活環境ではこれらの役割が必要とされることは少なくなっており、よって生えてくる毛をむだ毛と考えられています。

むだ毛の主な治療法とリスクについて

以下にいくつかの主な治療方法とその特徴をご紹介します。それぞれに利点や欠点があるので、事前にそれぞれを理解しておきましょう。

  1. カミソリ:手軽で安価ですが、肌への負担が大きく、皮膚の損傷や炎症、色素沈着などの肌トラブルが起きやすいです。
  2. 電動シェーバー:肌への負担が比較的少なく、スピーディにむだ毛処理ができますが、ツルツルにはならずすぐに毛が生えてきます。
  3. 毛抜き:毛根からきれいに抜くことができ、毛のないツルツルの状態を長くキープすることができますが、皮膚や毛穴へのダメージが大きく、毛嚢炎や埋没毛などの肌トラブルが起きやすいです。
  4. 除毛クリーム:肌への負担が比較的少ないですが、効果が一時的で、すぐに毛が生えてきます。肌質によりクリームに対するかぶれが起きることがあります。
  5. 脱毛ワックス:毛根から抜くことができ、毛のない状態を比較的長く保つことができますが、痛みが伴います。ワックスによる肌トラブルが起きることがあります。
  6. 家庭用脱毛器:肌への負担が比較的少なく、自宅で手軽に脱毛できますが、効果が出るまでに時間がかかります。自己判断での強い出力や長い使用時間などでやけどなどのリスクが高まります。
  7. エステ脱毛:エステサロンでは、長期的効果のある脱毛は法律上行ってはいけないことになっているため、低出力の光を使用した脱毛が行なわれます。よってエステで行える範囲の脱毛は、短期的効果しか期待できないことが多く、効果の実感を得るためには複数回の施術が必要となることが多いです。またやけどや毛嚢炎などの肌トラブルが起きた時は皮膚科へ受診する必要があります。エステであまり効果が得られないといってクリニックに通い始める方もいらっしゃいます。
  8. 医療脱毛:医師や看護師の医療資格者が施術するため、患者様の肌質に合わせた施術を行います。他の治療と比べてやや高くなりますが、通院回数やリスクへの対応、アフターケアなどを考慮すると結果的には効率的だといえます。医療レーザー脱毛の特徴は、その安全性にあります。もしも施術中に何らかのトラブルが発生しても医療機関では医師の診察の下、迅速かつ適切な処置が行われます。また、医師が執務しているからこそ、強力なレーザーを使用することが法的に許可されているので、少ない回数で質の高い効果を出すことが期待できます。

これらの方法の中から自分の肌質や生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。ただ、どの方法を取られるにしても、肌を傷つけないように注意し、適切なスキンケアを行うことが重要です。